@ 正喪服・・・喪のフォーマルウェア
正喪服は、公式の葬儀や一周忌までの法要などの場合に、喪主・親族・近親者・主な立場の方などが着用する喪服です。
ワンピース、スーツ、アンサンブル、など派手な装飾は避け、シンプルで肌を露出させないデザインで、色は黒に限ります。
(つまった襟元と長い袖がデザインの基本。袖は、夏は6分丈か7分丈でもよいとされます。)
A 準喪服・・・喪のオールラウンダー
準喪服と言うのは、一般的な葬儀・告別式・通夜・一周忌までの法要など、ほとんどの場合で通用するのがこの準喪服です。
正喪服に準じたブラックフォーマルスーツ・アンサンブルが基本ですが、流行を抑えたデザインも可です。
大人の女性として、まずは持っておきたい一着が、この準喪服です。
B 略喪服は・・・名前の通り「略礼」もの
急な弔問・通夜。三回忌以降の法事などや葬儀後、時間を置いて、故人宅を訪ねるときなどに着用します。
黒に限らず、グレーや紺などの控えめな色、柄、デザインのワンピースやスーツなどです。
@ ネックレスやイヤリング
喪服のアクセサリーはこれは一連の物を選ぶようにしてください。
日本では「不幸が重なる」ということで 二連・三連の物を嫌います。指輪は結婚指輪程度にとどめます。
A バッグ
小型で光沢のない黒の布製やカーフ・スエードの革製を。
留め金など、飾りの目立たない物を選びます。肩掛けではなく手に持てるものにします。
B 靴
基本は光沢のない布製でパンプスタイプです。黒の表革・カーフでも可です。
ストッキングは肌が透ける程度の黒を選びます。
@ メイク
お通夜や告別式の席は悲しみの場であるので、華美にならない様に色を抑え落ち着いた雰囲気に。特に赤すぎる口紅や、ほお紅は避けましょう。
ラメやパールの効いたメーキャップも派手に見えるので注意が必要です。
ただし、いくら悲しみの場で、地味にしなければいけないとはいっても、ノーメイクは逆に失礼になります。
清潔感を心掛けた、ナチュラルメイクがいいでしょう。
A ネイル
ネイルは透明やベージュ以外は落としていくのがマナー。
落とす時間がない場合はベージュのネイルチップをつけたり、黒の手袋で隠しましょう。
意外と見落としがちなのは、ペディキュア(足のネイル)です。靴を脱いだ際にストッキングから透けるような派手な色目は注意が必要です。
B 髪型
金具や装飾品のついた髪飾りは着けず、シンプルに小さくまとめます。
@ 御香典
故人へ線香や花の代わりとしての金品のこと。
通夜、葬儀、告別式までの表書きに使用します。
A 御霊前
故人の御霊(みたま)の前。また、御霊に備える金品。香典の表書きの一つ。
一般的な表書きとしては、宗教に関係ない、「御霊前」を使用します。
B 御仏前
故人が成仏した仏様の前。また、御仏に備える金品。供物の表書きの一つ。
ご法要(四十九日の忌明け)後からが「御佛前」または「御仏前」を使います。
@ 使うお札
お葬式は不意に起こる出来事。急なこと なのに新しいお札で 香典を持っていくのは、予想して準備していたようだからと避けるのが一般的です。
綺麗なお札や新札があるのなら、 それを使って構いませんが、これは新しくありませんという意味で、中央に一度折って線をつけてから、延ばして入れるのも心のマナーです。
(古い札だと家の中から、取り急ぎ、かき集めてきた感じがでるという意味にもなりますので注意してください。)
A お札の向き
お札を裏にして印刷されている人物の顔が上にくるように入れます。中袋、上包みともに糊つけの必要はありません。
B 中袋の書き方
裏側・・・裏面には住所と氏名を書きます。表面と同様、裏面も薄墨で。表側を縦書きで書いた場合には、裏面も縦書で書きます。
*住所を書くのはお礼状を書く時に配慮するものです。
C 袱紗
香典はお通夜・告別式の受付で渡すか、式に間に合わなかった際には霊前に供えます。その際むき出しのまま出すのではなく、「大切に持参いたしました」という意味から、袱紗に包んでいくのがマナーです。
色は緑・藍(紺)・鼠色など抑えた色目が一般的です。派手でなければ、抑えたピンクなども人気です。紫色は慶事との兼用が可能なので便利です。
@ フォーマルバック・数珠を持つ手は左手
葬儀の場合は、すべての持ち物は「左手で持つ」と言うルールがあります。それは、「右の手は神に捧げる手」として決められたことから右手にけがれをつけない、という意味で、全て左の手に持つ・掛けるというのがマナーです。
A 最初の挨拶
お悔やみの言葉をいうときは、はきはきと伝えることは控え、語尾までは、はっきりと言わない方が、悲しみが伝わるとされております。
B 会葬御礼をいただいたときの受け答え
反射的に「ありがとうございます」と出がちですが、お礼のことばですので、葬儀の場合には不適切です。「恐れ入ります」もしくは、無言で頭を下げるのがベターといえます。
@ 通夜でも喪服の方がよい?
急な通夜や不幸を聞いて駆け付ける場合は、地味な平服で訪れて問題ありません。しかし最近は、急でない場合は喪服(準喪服)を着用することが一般的になっています。
A ワンピースよりパンツ選びたいけどダメ?
パンツスタイルは、略喪服になります。正式にはNGです。特に、喪主、家族の場合は、ワンピース、アンサンブルを着用してください。ただし例外として、急な弔問や、通夜、三回忌以降の法事などでは着用しても問題はありません。
B 葬儀と結婚式が重なったら、どちらを優先?
身内の結婚式や出産などの慶事が間近に控えている場合は、弔問を避けても構わないとされています。しかし、その事情については、心のマナーとして喪家に、何らかの方法で伝えておく必要があるでしょう。
C 訃報を聞いたら、すぐ駆けつけるべきかどうか?
まずは相手との関係性によります。
1)近い親戚の場合・・・・迷うことなくすぐに駆けつけるべきです。
2)遠方の親戚の場合・・・この場合はすぐに駆けつけなくてもいいとされています。遠方で、参列できない場合は弔電を打ち、
後日お参りするようにしましょう。
3)会社の上司の場合・・・訃報を聞いたらすぐに駆けつけ、受付などお役に立てる裏方としてお手伝い出来るよう準備をしましょう。