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鶴屋創業70周年記念特別企画

2022年6月22日に創業70年を迎えるのを記念し、さまざまな催し物を企画しました。
これからも、ご来店くださるお客様や県民の皆さまに満足いただける店づくりを目指します。

鶴屋創業70周年記念特別企画

この度は鶴屋70周年に、たくさんの思い出のものがたりをお寄せいただきありがとうございました。
お客様に支えられ、70周年を迎えられたことを改めて実感いたしました。
これからもお客様とたくさんのものがたりが生まれる郷土のデパートを目指します。
お寄せいただいたものがたりの中から、一部抜粋してご紹介させていただきます。


こちらのエピソードは、音声でお聞きいただけます。
イベントでの収録の為、少々雑音が入ります。予めご了承ください。
ペンネーム:T・Y生 様(93歳)
朗読者:本田史郎



こちらのエピソードは、音声でお聞きいただけます。
イベントでの収録の為、少々雑音が入ります。予めご了承ください。
ペンネーム:あかり 様(52歳)
朗読者:又野千紘



こちらのエピソードは、音声でお聞きいただけます。
イベントでの収録の為、少々雑音が入ります。予めご了承ください。
嶋田 秀子様(70歳)
朗読者:本田史郎



こちらのエピソードは、音声でお聞きいただけます。
イベントでの収録の為、少々雑音が入ります。予めご了承ください。
丁畑 ひで子 様(71歳)
朗読者:又野千紘


伊藤 八千代 様(69歳)

 創業70周年おめでとうございます。昭和二十八年生まれの私は六十八歳です。
 一昨年、孫のお宮詣りの初着を鶴屋で誂えました。その時思い出した事があります。それは私の七五三の着物も鶴屋で揃えてもらっていたという事です。
 水俣で生まれ育ちました。当時熊本の街まで出かけるのは大変だったと思います。今日のように新幹線や高速道路はありませんでしたから。父が汽車に乗って一日がかりで着物を買ってきてくれたのでしょう。
 実家にはその着物があります。それは特製の風呂敷(うす桃色の生地に緑と赤の細い線が斜めに入りところどころに丸いツルのマークがついている)に包んでありました。母が“あなたの七五三の着物は熊本の鶴屋でお父さんが買ってきた”と自慢気に話していた事を覚えています。
 時代の節目ふしめにこれまでも、これからも鶴屋にお世話になることでしょう。この街で私はおばあちゃんになりました。

栄 尚子 様(50歳)

 熊本地震で、敷布団が気づかせてくれたことがある。そして元気をくれてありがとう。
 私の母は、熊本鶴屋が好き。昔の鶴屋の話をするので、鶴屋ツウです。昔鶴屋で買った敷布団は、今現在も使っている。何年使っていてもくたびれない。そういえば、鶴屋の従業員さんが、「何年使っていても、ずっと使い続けられますよ。」と言われて買ったらしい。母は本当に買って良かったと胸をなでる。確かに本当に良い。他のお店では3年使うと駄目になるが、鶴屋で買って30年使い続けている。今思うと、熊本地震でもお世話になった敷布団。今年で6年になるけど、家は大規模半壊で住めなくなり、何もかも壊れて不安な日々を車の中で過ごした。敷布団の上で家族で川の字で寝ることもあった。でも、安心して寝ていたのは覚えている。2年間の仮設住宅でも使用して、新しい家でも敷布団を使っている。そして母が言う。「鶴屋の従業員さんを信じて買って良かったわ。家族みんなが使っていてもふっくらして気持ちが良い。」と。それを聞いた私は、やっと日常を取り戻すきかっけを、元気をくれてありがとうと心に思う。この先も世代が変わっても使い続ける。

ペンネーム:あーちゃん 様(62歳)

 「午後2時5分一寸一服!!つるやラーララン・・・」ラジオからこの曲が流れ出すと、当時1歳だった孫は、指しゃぶりをしながら布団に寝転びお昼寝モードに入る。片方の手には、孫が生まれた時に買ってあげたお気に入りの「くまのぬいぐるみ」をしっかり抱いている。これは鶴屋でしか手に入らないちょっと高級で、フカフカの感触がたまらない一品だった。しかし肌身離さず持っていたので一年も経つと、よだれやミルクや手垢で、洗濯するうちに、ガチガチのタオル地と化していた。
 娘は「寝かしつけに苦労していたので、くまさんと鶴屋のテーマソングにかなり助けられた!!」と振り返る。
 3歳頃、初めて覚えた歌もこれ。「チュルヤ!!ラララッ・・・・・・ハーイ、ハーイ、ハイチェンチュ!!チュルヤ!!」と口ずさむ姿に心癒された。
 そんな彼も成長し、春から「光るカメさん」を背負って新しいスタートをする。鶴屋の亀とともに、ゆっくりマイペースで輝きながら前進してほしい。

中野 恭代 様(60歳)

 念願叶って大学合格した時に父と食べた、7F星岡定食の味が忘れられません。35年前でした。「この大都会の百貨店の中に、侘び寂びがあり、緑があり、風にゆらゆら揺られているグリーンに心が癒されるぞ。また四季折々の食材を使い芽出る喜びも味わえる。」当時菊池市役所の商工観光課に勤務していたからか、いつのまにか食レポが上手くなっている父に驚いたと共に、父と共有した時間と、貴店の雰囲気と味が深く心に残りました。
 そんな父は糖尿病治療の身。本来ならグルメ食はご法度のはずです。でも娘との一生の思い出のために連れて行ったんだと思います。
 鶴屋70周年のR4の年。父は1月3日に旅立ちました。
 今私は父と出かけた想い出の場所を洗いざらしにピックアップし、ひとつずつ消す作業に取り組んでいます。今日は三男夫婦を連れて父から紹介を受けたと告げるために出かけました。やはり星岡定食の味は35年前と同じ。緑も風にそそぎ、とても喜んでくれました。きっと父も横に座って微笑んでいたことでしょう。
 食は人を良くすると書き表しますが、人を良くするだけでなく、胸の中にいつまでも記憶されるのだと、この味の想い出に浸ることのできるものでした。星岡茶寮さま、心より感謝申し上げます。

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