“熊本が好き”の気持ちをつなぐ 人とモノのストーリー 2025冬


Vol.6 みなまた和紅茶四天王

世界も注目する日本の紅茶──
「みなまた和紅茶四天王」が届ける、やさしい一杯

熊本県南の水俣・芦北で育まれた「みなまた和紅茶」は、農薬や化学肥料を使用しない栽培や在来種、製茶園それぞれの取り組みや受賞歴を通じて国内外から高い評価を得ています。今回、鶴屋では2025年お歳暮ギフトとして「みなまた和紅茶」のオリジナルギフトを販売。「みなまた和紅茶四天王」と呼ばれる4つの製茶園の個性が詰まっています。そこで現地を訪ね、4人の作り手たちから和紅茶づくりへの思いをお聞きしました。

公害の地から、希望の茶へ。「みなまた和紅茶」の誕生

リアス式の海岸線と穏やかな不知火海に面し、山あいには深い霧がたちこめる水俣・芦北地域。かつて公害の歴史を負いながらも自然と真摯に向き合い、再生の道を歩んできました。

この地域でお茶の栽培が本格的に始まったのは明治時代。挿し木ではなく「種」から育つ在来種が多く、畑ごとに個性が際立つのが特徴です。農薬や化学肥料を極力使わない自然のままの栽培は、この地に生きる人々の哲学そのもの。

そうして生まれた「みなまた和紅茶」は、海外の紅茶に比べて渋みが少なく、やわらかな甘みが余韻を残します。それは再生の地・水俣から生まれた、やさしく強い日本ならではの紅茶です。

4人の匠が結集。「みなまた和紅茶四天王」誕生物語

そもそも「みなまた和紅茶」は、早くは約40年前から作られてきました。製茶園ごとに製造・販売していた紅茶を全国にアピールしようと「全国地紅茶サミット」開催を招致すべく、2016年に「みなまた和紅茶実行委員会」が発足。

2017年に開催された「全国地紅茶サミットinみなまた」をきっかけに、実行委員の主要メンバーである4つの茶園──『天の製茶園』『お茶のカジハラ』『お茶の坂口園』『桜野園』が手を取り合い、「みなまた和紅茶四天王」として発信を始めました。

もともとは「水俣芦北地域における四天王」のはずが、テレビで全国放送されたことから一躍話題となり、「和紅茶界の四天王」として全国に名を馳せることに。「そんな捉えられ方に対して、まだ実力が伴っていないのでは?と当時は戸惑いました」と苦笑いするのは、実行委員会の委員長として6年にわたりサミット開催を支えてきた『お茶の坂口園』3代目の坂口和憲さん。しかし今では国内外の品評会で数々の賞を受け、名実ともに日本を代表する紅茶生産者となっています。

互いを尊敬し合いながら、時に競い、時に助け合う。その関係は、まるで異なる香りが調和して一杯の紅茶を生み出すようです。

4つの個性が香る、「四天王」の和紅茶

それぞれが異なる環境と哲学のもとで独自の香りを追求している“四天王”の製茶園。その特徴や今回ご紹介するギフトセットで味わえるお茶について教えてもらいました。

天の製茶園「天の紅茶」

3代目の天野浩さんは、鹿児島との県境、標高630mの高地に広がる茶畑で約30品種を無農薬・無肥料により栽培。希少な在来種の古木から採れたお茶や、自然と調和した個性豊かなブレンド茶などを展開し、老舗和菓子店『とらや』の紅茶羊羹の原料として採用されるなど全国的に注目を集めています。

そんな同園を代表する「天の紅茶」は、種から育った在来種をはじめとする茶葉の中から香り高い5種を厳選・ブレンド。ベースとなる夏摘みの茶葉は、虫の「ウンカ」が新芽をかじることで自然発酵が促され、独特の香りと余韻が生まれます。独自の高温焙煎によりカフェインはほぼ除去され、体にやさしい一杯に。和菓子や漬け物と相性抜群です。

お茶のカジハラ「夏摘み在来種」

芦北町の360度山に囲まれた険しい傾斜地で、3代目と4代目親子が無農薬栽培を行っている『お茶のカジハラ』。台湾や中国での修業を経て到達した紅茶の味わいは、世界から出品された数百種類のお茶を審査する「THE LEAFIES」で最高賞「Best in Show」を受賞(2022年)。世界の茶業界に衝撃を与えました。

そんな茶園の「夏摘み在来種」は、種から育った、いわゆる「実生(みしょう)」。「在来種の茶畑には、品種茶のように選抜された同じ木はなく、その茶畑・土地によって個性のある味わいを楽しめます」と梶原さん。「夏摘み在来種」の柔らかな味わいは食事とも相性が良く、普段使いに最適。お子さんも飲みやすい味わいです。

お茶の坂口園「ゆのつる和紅茶」

創業95年以上の老舗『お茶の坂口園』は、湯の鶴温泉に近い山間部の澄んだ空気の中で無農薬栽培に取り組んでいます。3代目の坂口和憲さんが手掛けた春摘みの「はるべに」が「国産紅茶グランプリ」で日本一、「Japanese Tea Selection Paris」では金賞を2年連続受賞。また、紅茶の本場・イギリスで開催されたお茶の品評会「THE LEAFIES 2024」では「なつべに」がGOLD(最高賞)を受賞するなど、その品質は国内外で高く評価されています。

カテキン豊富な紅茶の品種「べにふうき」と数種類の緑茶品種をブレンドして和風のテイストに仕上げた「ゆのつる和紅茶」は、甘い蜜のような香りと優しい味わいが特長。焙煎により香ばしく仕上げつつカフェインが少ないので、安心してお飲みいただけます。

桜野園「さくら紅茶」

昭和2年創業の『桜野園』は、34年前から無農薬栽培へ移行。13年前からはトラックや摘採機をバイオディーゼルで動かすなど、環境への配慮を徹底しています。若い茶葉を使い、渋みの少ないやさしい味わいが特徴で、4代目の松本和也さんが手掛ける紅茶は、世界的なお茶の品評会「THE LEAFIES 2022」で入賞。ロンドンの紅茶専門店『ポストカード・ティーズ』で25年前から販売され、山陽新幹線のグリーン車でも採用されています。

同園の名称を冠にした「さくら紅茶」は、渋みを抑えたやさしい味わい。農薬や化学肥料を使わず育てられた茶葉は驚くほど澄んだ香りを放ち、ストレートでもミルクでもおいしい万能の紅茶に仕上がっています(桜は入っていません)。

競い合い、支え合いながら。四天王が描く未来

お互いに刺激し合い、技術を磨き合う仲間として、絆を育んできた4人。たとえば、お茶の専門家を招いて研修を行い、4人で知見を共有。その年にできた茶葉を持ち寄り試飲するなど、和紅茶づくりの品質を高めるために惜しみない協力を続けています。

坂口さんは言います。「昔は“水俣”という地名を口にするのがためらわれたこともありましたが、今は胸を張って“みなまた和紅茶”と言える。それが一番うれしいです」。そして天野さんもこう続けます。「僕たちが目指すのは、和紅茶を通じて地域が元気になること。若い人たちが『お茶づくりに関わりたい』と思ってくれるよう、“稼げる和紅茶づくり”を実践し、みなまた和紅茶を未来へとつなげたいです」。

土と理論が生む、みなまた紅茶の深み

4人のお話を伺ったあと、『天の製茶園』で紅茶づくりの現場を見学しました。訪れたのは、夏摘みの作業がひと段落した8月。作業場では、手摘みした茶葉に温風を送り、ゆっくりとしおれさせる「萎凋(いちょう)」の工程が進められていました。

この作業は紅茶の香りを決める最も繊細な工程。気温21〜25℃、湿度90%以上の環境下で18時間あまりの間、わずかな温度変化にも神経を研ぎ澄ませます。続く揉捻(じゅうねん)では、茶葉を見極めながら水分を調整し、空気をたっぷり含ませながら酸化を促進。どの工程も理屈だけでは語れず、葉の様子や香りを見極めながら、常に微調整を繰り返すといいます。

試飲では、「べにふうき」の春摘みと「さやまみどり」の春摘み・夏摘みを飲み比べ。オリエンタルな香味が広がる「べにふうき」の春摘み。すっきりとしたシャープさを持つ「さやまみどり」の春摘みと、独特のフレーバーや余韻が残る夏摘み。季節や品種ごとに香りの表情が異なり、自然の呼吸がそのまま味になることを実感しました。

「うちの土地はもともと肥沃なので無肥料でやれています。品質と加工技術、そして土地の力。これら3つがオリジナリティをつくるんです」と天野さん。一枚の葉に宿る自然と技の調和こそ、この地の紅茶を特別なものにしています。

贈る人の心を映す、やさしき紅茶。「みなまた和紅茶」には、自然と人への思いやり、そして仲間を信じる力が込められています。

贈り物に込めたいのは、相手を思いやる気持ち。寒い冬の日、湯気の向こうに広がる紅茶の香りが、大切な人の心をそっと包んでくれる。「みなまた和紅茶四天王」の和紅茶は、そんな時間を贈るための、上質で心温まるギフトです。

Information

熊本県南に位置する芦北・水俣の豊かな自然と水に育まれた、香り高い「みなまた和紅茶」。「みなまた和紅茶四天王」と称される4つの製茶園がそれぞれの畑・製法・哲学で仕上げた和紅茶を詰め合わせたオリジナルギフトです。華やかでフルーティーな香り、やわらかな味わい。個性あふれる4種の味わいを飲み比べながら、土地が映す豊かな表情をお楽しみください。

※熱湯を注いだカップにゆっくりとティーバックを入れてお召し上がりください。

【みなまた和紅茶四天王】ティーバッグギフトセット

4,780円(税込)

カジハラ 夏摘み在来種 2.5g×10、坂口園 ゆのつる和紅茶 2.0g×10、天の製茶園 天の紅茶 2.0g×10、桜野園 さくら紅茶 2.5g×10(原料原産地/熊本県産)

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